押し入れの中に「サボテン」があったのよ。
と祖母が言った。
押し入れの中に入っているものとしては不思議。
それが「暗い、くらい」と助けを求めていたらしい。
そんなことをふと思い出した。
家にもあるしまってあるモノ。
気になっていた「お人形」。
祖母から私の誕生祝にといただいた。
覚えている。
子供の頃はずっと飾ってあった。
テレビの横。ローボードの上。
記憶の中にある人形はいろいろな場所にあった。
引っ越しの際に段ボール箱に入れ
クローゼットの奥に収まった。
「気になっているのよね」と母にいわれた。
偶然。同じ気持ちだった。
母と一緒に箱を開けてみたらガラスケースが壊れ、
美しかった着物も色あせていた。
「人形供養」という言葉を聞いたのも丁度そんな時だった。
京都のお寺さんにお願いした。
丁寧にお経をあげて供養をしていただいた。
長い間暗いところに置いたことをお詫びし、
私の成長を見守ってくれていたことに感謝した。
ごめんなさいそしてありがとう。